スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

スポンサードリンク * - * * - * -

ロスト・シンボル ダン・ブラウン 角川書店

「天使と悪魔」「ダ・ヴィンチコード」に続く、ラングトン教授が謎をとくシリーズの3弾目です。 今回はフリーメイソンの謎。 上巻は、わけもわからずただただマラークという人物の不気味さに怯え、 下巻になると、どんどんおもしろくなりました。 前作、前々作同様、事件が起こってから解決するまではわずか12時間。 その半日の物語が上下巻おおよそ700ページに描かれています。 歴史上の事実をもりこみ、たくさんの歴史上の物や事の解説もあり、 ワシントンDCの街並の描写があり、 聞いた事もなかった科学の話があり・・・・ そしてフリーメイソンが守ってきた謎が最後に解き明かされます。 まったく知らない世界にいっとき浸る読書の楽しみを満喫するのです。 それにしても、全身刺青の男、マラークは恐ろしかった。
JUGEMテーマ:読書
モリヤ * は行 * 09:41 * comments(0) * trackbacks(0)

隠された十字架 法隆寺論 梅原猛 新潮文庫

 しばらく編み物に凝ったり他のことをやったりで、読書が進みませんでした。
それにくわえて、今回の作品は難しく、読み進めることがなかなかできず。
で、やっと読んだわけです。

この作品が最初に発表されたのは昭和46年。
それから著者の主張するこの論がどうなったのかわかりませんが、
ただ、著者のこの時代や聖徳太子への深い愛情を感じたのでした。

抜粋
一つの寺は、ある意味をもってそこに存在している。その意味を与えたのは、それを造った人間の意志である。一つの意志によって、一つの寺は統一され、そしてその寺のすべての建築、彫刻、工芸は、その意志の中で、それぞれある種の役割をはたしているのである。一つの寺を研究するには、その寺のもつ意味を知らねばならない。その意味を知るには、その寺を造った人間の意志を明らかにしなければならぬ。その意志は、必ずしも宗教的意志ではない。そこには、宗教的意志と同時に政治的意志が働いている。宗教的意志でもあり、政治的意志でもある。一つの形而上学的根本意志が、必ず一つの寺院や、神社や、宮殿には存在している。そういう、いわばすべての芸術を総合する意志によって、一つの時代の計術は出来上がる。そして建築も、彫刻も、絵画も、工芸も、すべてこの意志によって統一されているのである。そしてその意志によってそれらは一つの世界を形成する。

私は常々思う、人は成功を収めたその同じ原因で失敗するのではないかと。武力でもって高位についた人間が、己のもてる武力におごって滅び、投機的な商法で財をなした商人が、その大胆すぎる投機によって失敗するように、同じ能力が、あるときには成功の原因にもなり、あるときには失敗の原因にもなるのである。とすれば、その失敗において、その成功の秘密があらわれることがあるのである。
モリヤ * あ行 * 09:25 * comments(0) * trackbacks(1)

さまよう刃 東野圭吾 朝日新聞社

 もし自分の大切な娘が
どうしようもないほどの悪人である少年に殺されたなら

少年法に守られている加害者がいて
かえらない被害者がいる。
自分がその親だったら。

この小説の主人公のように
同じ年代の娘を持つ親としては
苦しい小説でした。


モリヤ * は行 * 10:13 * comments(0) * trackbacks(0)

1984年 ジョージ・オーウェル ハヤカワ文庫

 最近はいつも読書にあてていた時間の半分を編み物にあてているので、読み終える頻度も少ないのでした。

村上春樹の1Q84を読んでから、こちらも読みたいと思っていたのね。
ただずいぶん昔の作品なので持っていなかったわけです。
そうしたら、なんと友人が持っていてお借りしたのです。

タイトルだけで読みたいと思い、なにも知らなかったのですが、
こういう小説だったのね・・・・

おそろしい統制下で、反逆とみなされれば命を失う状況で
自分が思っていること、自分が信じていることを声に出すということは
どんなに勇気がいることだろう。

周囲に怯えながら
それでもまちがっていると
仲間を求める主人公の気持ちがすばらしいのです。

この作品はその当時の世界情勢をカリカチュアライズしているものと思いますが、
現代でもあてはまる部分はたくさんあるなあ。

モリヤ * あ行 * 10:05 * comments(0) * trackbacks(1)

ハリガネムシ 吉村萬壱 文春文庫

 何年か前に書店でたくさんみかけたな、と思いました。
書店をぶらぶらしていたら文庫になっていたので買ってみました。
その当時の芥川賞受賞作だったのですね。

ある女性と知り合ったことから、主人公の中に潜む悪魔の部分、残酷で破壊的な部分がつぎつぎと出てくるのでした。

衝撃があります。が、私にはきつい・・・・

モリヤ * や行 * 09:29 * comments(0) * trackbacks(0)

駅路 松本清張 新潮文庫

 これも短編集です。

「白い闇」
「捜査圏外の条件」
「ある小官僚の抹殺」
「巻頭句の女」
「駅路」
「誤差」
「万葉翡翠」
「薄化粧の男」
「偶数」
「陸行水行」

が収められています。
タイトルにもなっている「駅路」は停年を迎えた男の悲しい結末を描いています。仕事も真面目に務めあげ、家庭も荒波をたてず、子どもも無事育て上げ、これから自分のために生きたいとある行動をおこすのですが、それが悲惨な結果におわってしまいます。
大人になり家庭を持つって、そんなに我慢の連続なのかなあ、と感じました。
その中に、ささやかでも幸せを感じなかったのだろうか。
まあ、小説ですからね、そういう設定なのでしょうけれど。

最後に収められている「陸行水行」は、日本古代史を専攻する大学の講師が、邪馬台国のありかをさぐる民間の郷土史家に翻弄させられるのです。
古代史って、魅力的ですね。邪馬台国が九州にあったのか、近畿にあったのか論争があることは、素人の私も聞いたことがありますが、作者の思いもたくさん盛り込まれているような作品でした。

モリヤ * ま行 * 09:19 * comments(0) * trackbacks(0)

西郷札 松本清張 光文社文庫

 この短編集のタイトルにもなっている「西郷札」という短編が読みたかったのです。
これは作者がまだ朝日新聞西部本社にいたころに懸賞小説に応募し入選した作品です。その後直木賞候補にもなったそうで、松本清張のデビュー作です。

「西郷札」ってなんだろう、と思っていました。
時代は幕末から維新の頃。

抜粋
「さいごうさつ」 西南戦争に際し薩軍の発行した紙幣。明治10、西郷隆盛挙兵、集るもの4万。(中略)同年4月熊本に敗れ日向に転戦するに及び鹿児島との連絡が絶えたため、遂に六月に至って不換紙幣を発行した。(中略)発行総額は10万円を下らなかったという。額面の大なるものは最初より信用が乏しく小額のもののみ西郷の威望により漸く維持したが薩軍が延岡に敗れて鹿児島に退却するや信用は全く地に墜ち、ために同地方の所持者は多大の損害を蒙った。乱後この損害填補を政府に申請したが賊軍発行の紙幣の故を以て用いられなかった。

とあります。

抜粋
 これで疑問は解決した。これは薩軍の軍票のことである。おそらくこの出品者の父祖もこの不換紙幣をかかえて「多大の損害を蒙った」一人なのであろう。その子か孫かが家に残っていたものを出そうというのである。西郷ふだと読んだ連中は笑いだした。

私も「さいごうふだ」と読んでいたので、一緒に笑いました・・・・

お話はそのような歴史をもつ「西郷札」をめぐって、まったく歴史に関係のない嫉妬から、一人の男が陥れられるというものです。
男は罠にかけられ、自身ばかりでなく恩人2人を巻き込んでしまうのですが、その苦悩がひりひりと伝わってくるのでした。

この短編集は時代が江戸のものが多かったです。
「西郷札」
「くるま宿」
「或る『小倉日記』伝」
「火の記憶」
「戦国権謀」
「白梅の香」
「情死傍観」
が収められています。

「或る『小倉日記』伝」と「火の記憶」は、この本の前に読んだ新潮文庫の短編集にも収められていました。出版社を変えてよむとこういうことがあるから、短編集なんかは同じ出版社のもので読みたいのだけれど、たまたま新本も古本も新潮文庫から出ている「西郷札」の短編集が品切れだったのでした。

ただこの短編集には作者のあとがきがあり
「小説修業をしたことのない私は、どのような小説を志すべきか見当がつかなかった。ただ、他人の行く道は踏みたくなかった。」
などとあり、大作家松本清張のデビュ−のころの言葉が読めてよかったと思います。

また解説は島田荘司で、
この方の解説を読んでいると、あと1冊読んだら一度松本清張はおえて、違う作家にいこうを思っていたのに、あら、これも面白そう、これも読んでみたいという気持ちになってしまいます。またご自分の著書「秋好事件」もひきあいに出していて、あ・・・これ、夫の本棚にあったなあ・・・読んでみようかな・・・と、また読書の泥沼にはまっていきそうな私です。(うれしい)


モリヤ * ま行 * 08:10 * comments(0) * trackbacks(1)

ゼロの焦点 松本清張 新潮文庫

 ゼロの焦点がやっと我が家に着きました。
注文してから2週間、最長記録でしたなあ。

この作品は今、映画が公開中ですね。
私は映画を観ていませんが、
がんがんテレビでも宣伝しているので、
重要な役の女優さんたちのお顔がすっかりしみ込んでいて、
本を読んでいても、その人たちを想像してしまい
うまく自分のイメージが築けないままに読みました。
私は映画より小説を先に読むほうがいいなあ。
読んでから観るのは、楽しいけれど。

事件のもとになった背景が判ってくると、時代を感じました。
読み進めていくうちに、
ええーーっという事実が分かったり。

相手のことをほとんど何も知らず、
名前と年齢と勤務先しか知らないほど知らず、
お見合いで結婚し
それでもこれから未知の部分が互いに少しずつ溶け出して
夫婦になっていくのだろうと思う妻でしたが
夫が新婚旅行から戻り、勤務先の主張所の残務整理に行ったまま帰らなかったら、
それも転勤で、北陸から東京に勤務先が移り
これから一緒に暮らすのだというときに帰らなかったら、
そしてまだなにも夫のことを知らないという状況だったら

どんなに不安だろう。

夫の過去を辿っていくほどに明らかになっていくその経歴は
妻にとっては残酷なものであったのですが、
そこに絡む人々もまた
忘れ去りたい過去に苦しんでいたのでした。
誰もが今日を生き、明日を迎えるために必死だったのでした。

雲に覆われた低い空や、
断崖からのぞきこんだときの日本海の荒れた波。
夫を探して歩く北陸の冬の風景が
登場人物たちの心象風景とも重なって
作品全体を覆っていました。



モリヤ * ま行 * 08:21 * comments(0) * trackbacks(0)

どちらかが彼女を殺した 東野圭吾 講談社文庫

 「ゼロの焦点」が届くまで、ちょっと時間があいたので、
娘のおすすめ作品を読みました。

妹を偽装されて殺された現場を見た兄は、とっさに証拠品を隠し、警察の手にゆだねるのではなく、復讐するために自分で犯人を捜そうとします。
同じ事件を捜査している、東野作品ではおなじみの加賀刑事が、その前にたちふさがるのです。

この作品は、最後まで読者に犯人が誰なのかをおしえてくれません。
あなたも推理してみてねってことです。
容疑者は2人。親友の女性か、元恋人の男性。そのうちのどちらかが犯人なのですが、どこまでもふたりともあやしいのです。
巻末には袋とじになっている「推理の手引き」がついていて、そこを読めば結果がわかるのかな、と期待するのですが、そこにも明確な回答はないのです。
ただ、娘と話をしながら、犯人はあっちだろうと思ってはいるけれど。

古本で手にいれたので、とうぜん袋とじの部分はもう開封されていましたが、
そういえば、かなり昔(私が子どもだったころ)
お話の中頃から後半が袋とじになっている本がありました。
その当時、ずいぶん話題になっていた作品で、
「これ以上、読みたい気持ちがなければ封を切らずに出版元に送ってください。代金はお返しします」ってものだったと思います。
なんだったっけなあ・・・・
「ローズマリーの赤ちゃん」だったように記憶しています。
ローズマリーが身籠った子どもは悪魔の子?  みたいなお話だったように思いますが、もう記憶はさだかではありません。

もちろん開封して最後まで読みましたが。

モリヤ * は行 * 07:43 * comments(0) * trackbacks(0)

或る「小倉日記」伝  松本清張 新潮文庫

 新潮文庫では、松本清張の傑作短編集というのが1から6まで出ています。
これはその(1)
大きな渦の中で繰り広げられるお話が多いので、長編が面白い作家なのかなと勝手に思っていたのですけれど、
この短編集、とーってもよかった。今までの作品の中で、一番好きです。
だいたいは文庫本にして30〜40ページほどの作品でした。
解説(平野謙)を読んで知ったのですが、
実在のモデルがいたり、また作者自身がモデルだったりする作品が多くありました。

この短編集に収められているのは
「或る『小倉日記』伝」
「菊枕」
「火の記憶」
「断碑」
「笛壺」
「赤いくじ」
「父系の指」
「石の骨」
「青のある断層」
「喪失」
「弱味」
「箱根心中」
の12編です。

「或る『小倉日記』伝」は芥川賞受賞作品で、作者の出世作でもあるでしょうから、読んでみたいと思っていましたが、ほかの短編もすばらしいです。

何か1つのことを変質的に情熱的に追い求める主人公がいます。
その情熱や成した仕事は、
周囲に受け入れられず、
またその人物の傲慢な態度から
疎まれ、はじきだされるのですが
彼らには救いのように、理解し支えてくれる妻や、夫や、母がいるのです。
その支えてくれる人々は
凡庸な人々で、主人公たちは支えてくれていることさえ理解できずにいたりもするのです。

物語はどれもハッピーエンドではありません。
でも、痛いほとの主人公たちの思いや、それを支える人々の温かな気持ちがしみ込んでくる物語なのでした。

しかし作品は決して人情物語ではありませんでした。
主人公たちの熱意や苦悩が描かれ、
淡々とした文章は、よぶんなセンチメンタルな気分を排除していて
それがさらに読者には、ずしんとひびくのでした。

注文している「ゼロの焦点」を読んだら(昨日、発送したと連絡がありましたが)
松本清張は一区切りと思っていたのですが、
この短編集があまりにもよかったので、さらに2冊、ポチッとしてしまいました。

抜粋
考古学者は日常遺物遺跡の取りあつかいにつとめその形を注意するのである。とくに数少ない幾人かの優れた学者は、物の深さを正確に現すことに成功した。しかし、物の深さはその物の深さによってかえって精神の深さよりも浅く見えることがある。つくられた物よりも、つくった精神のほうが常に深い」



モリヤ * ま行 * 09:11 * comments(0) * trackbacks(0)
このページの先頭へ